SANKO MARKETING FOODS

企業理念「価値ある食文化の提案」を産地から取り組む意味

~コア事業の構造改革と新領域への挑戦~

2020年2月、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により当社は、主力事業である飲食店の運営をそのまま継続するだけでは企業として生き残れないという事態に直面しました。創業以来、当社の存続が危ぶまれるような局面はこれまでにもありましたが、事業そのものを長期間に渡り、完全に停止しなくてはならないという事態は、過去46年間にわたる当社の歴史を紐解いても例がなく、文字通り、危急存亡の秋に直面した2年であったといえます。

とりわけ都心繁華街での居酒屋事業に対する逆風はすさまじいものがあり、今ここにある危機を乗り越えるため、当社の生き残りをかけて、考えられるすべての打ち手を講じてまいりました。

01駅前大箱店舗の大量閉店とすべてのコスト見直し

2020年3月の時点において、その後の新型コロナウイルス感染拡大による影響が長引く可能性があることを踏まえ、都心オフィス街に隣接する繁華街エリア(新宿・池袋・渋谷・有楽町等)に展開していた(賃料額の大きい)大箱居酒屋店舗の大量閉店を決定し、以降、一気に閉店・撤退を実施しました。当時、大会社への助成金等の見通しが不透明ということもあり、そのような方針を採用しました。これと同時に、閉店・撤退にも資金が必要となるため、所有不動産を処分するほか、役員報酬の大幅減額はもちろんのこと、すべてのコストを見直し資金の流出を抑制してまいりました。

02官公庁の職員食堂や温泉施設内飲食エリアの運営受託を開始

また、居酒屋大箱店舗の撤退を進めた都心部では、その入れ替わりとして2020年4月より、官公庁の職員食堂の受託や温浴施設内飲食エリアの受託を進め、新たな事業の創出に取り組むとともに既存社員の雇用の確保に努めてまいりました。結果として、2021年12月末日時点において実店舗のうちおよそ4割の店舗が運営受託店舗となりました。

03新たな成長の柱を構築:漁業(水産業)への取り組みを開始

2020年9月、静岡県沼津市にある「沼津我入道漁業協同組合」との業務提携を開始いたしました。同漁協の組合員になるとともに、沼津に支店を設け、魚市場でのセリへの参加。加工場での一次加工、既存店及び他社販路への鮮魚等の食材供給、地元で獲れる魚を活用した商品開発、ふるさと納税への返礼品提供等、収益基盤の強化とともに付加価値獲得の多様化に取り組んでまいりました。地元沼津での取り組みを漁協の皆様に評価いただけた結果2021年11月、漁業研修船兼自社運用船として漁船(辨天丸:べんてんまる)を承継取得し、2022年より漁業への取り組みを開始できるまでになりました。

また、同じタイミングで浜松の魚屋から始まり、市場の仲卸としてマグロの目利きと加工に定評のある「株式会社海商」(新商号:株式会社SANKO海商)が当社の子会社として新たな仲間となりました。40年の歴史を持つ同社の経験値が新たに加わったことで、沼津で始まった水産事業。この先、展開のスピードを上げていきます。

04社員の提案で社内会社を設立。あらゆる可能性を具現化する体制作り

2021年3月、長引く自粛要請や緊急事態宣言により既存店で営業ができない状況の中、社員達が集まり自主的に“自らができること” を話し合い模索した結果、『店舗や施設などの清掃や除菌作業』を主とした新たな事業を生み出しました。当社の強みである飲食店経営に深く関わってきた社員達が、飲食店運営で培った店舗衛生と店舗保全のノウハウを完全マニュアル化いたしました。発注をいただく飲食店や企業様から大変な好評をいただいております。日常的な店舗衛生について定期的に社員への実地教育をして欲しいとのご要望もお受けしているなど、今後の展開が楽しみな事業として着実に成長いたしております。

05コロナ禍に海外ライセンスによる出店を達成、現在も好調

2021年6月、収益基盤の多様化を図る観点から当社の保有するブランドのうち、認知度及び商品力を持つ「東京チカラめし」を用いたライセンス事業(特に海外、香港エリア)を展開してまいりました。今後は香港に限らず他の国、地域においても展開してまいります。

逆境を変化の機会と捉え、付加価値獲得の多様化に挑戦し続けます。

以上のとおり、当社は2020年春から始まったコロナ禍の中で危機を乗り越えるために、これまでの大箱居酒屋の都心繁華街集中出店戦略を見直し、大きく転換するとともに、この危機をチャンスととらえ新たな事業の創出に取り組んでまいりました。今後、当社は飲食事業と水産事業を両軸とする経営にシフトし、産地から産地の方々とともに汗をかくことで、新たな付加価値を創出し産地と消費者の架け橋として世の中に貢献していくことで、付加価値獲得の多様化に挑戦。変化する時代を自らが変化していくことで乗り越え、創業50周年の節目に向けて尽力してまいります。

今後ともステークホルダーの皆様におかれましては、ご理解並びにご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

株式会社SANKO MARKETING FOODS
代表取締役社長